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腕時計の正しいメンテナンス方法|プロが教える手入れ道具とNG例

【時計のNGお手入れ7選】私は絶対しないメンテナンス方法のサムネイル

「腕時計のメンテナンス工具って何を買えばいいの?」
「家にあるティッシュやタオルで拭いても大丈夫?」

と思い、この記事を開いたあなた、こんにちは。

時計修理歴約30年、600人以上に技術を伝えてきた藤本です。

結論からお伝えすると、特別な高い工具は必要ありませんが、身近にある「ティッシュ」や「古タオル」を使うのは絶対にNGです。

良かれと思ってやっている日々の手入れが、実は時計を傷つけたり、見えない部分に汚れを溜め込んだりする原因になっていることが多いのです。

本記事では、時計修理技能士として現場経験のある立場から、

・プロが絶対に使わないNGなメンテナンス用品

・本当に必要な「拭き上げ」アイテム

・洗剤選びで失敗しないための正しい知識

・磁気帯びなどの見えないリスクへの対策

を体系的に解説します。この記事を読めば、腕時計の寿命を縮めない正しいメンテナンス方法と、選ぶべき道具を理解できます。

記事元となった動画もあわせてご覧ください。

腕時計メンテナンス工具:拭き取りに何を使う?

時計のお手入れといえば「拭くこと」が基本ですが、ここで何を使うかが非常に重要です。

多くの人が使いがちな「あのアイテム」が、実は時計の美観を損ねています。

ティッシュやタオルは研磨剤と同じ

拭き取りにティッシュを使わないことを説明

手元にあるからといって、ティッシュペーパーやハンカチ、使い古したタオルで時計をゴシゴシ拭いていませんか?

私は修理の現場で、これらを絶対に使いません。

なぜなら、ティッシュの繊維は意外と硬く、金やステンレスの鏡面仕上げ部分を拭くと、表面にうっすらとした細かい傷をつけてしまうからです。

また、タオルの綿毛や繊維は、時計の微細な隙間に入り込み、結果としてゴミを蓄積させてしまいます

「きれいにするつもりが、傷をつけ、ゴミを詰まらせている」という本末転倒な結果になりかねないので注意が必要です。

正解は「マイクロファイバークロス」

マイクロクロスファイバーの画像

昔は「セーム革(鹿革)」が主流でしたが、長く使っていると繊維が出てくるため、現代のプロが愛用しているのはマイクロファイバークロスやメガネ拭きです。

これらは繊維が非常に細かく柔らかいため、時計の鏡面を傷つけることなく、皮脂汚れや埃をしっかりと絡め取ってくれます。

高価な専用工具を買う前に、まずは質の良いマイクロファイバークロスを1枚用意してください。それが最強のメンテナンス工具です。

時計の手入れ方法:洗剤の選び方

スマホクリーナーの画像

防水時計であれば「水洗い」も有効なメンテナンスですが、ここで使う洗剤選びにも落とし穴があります。

スマホクリーナーやハンドソープはNG

スマホクリーナーや除菌シートは便利ですが、アルコール成分や研磨剤が含まれている場合があります。

これらでガラス面を拭くと、表面のARコーティングが剥がれたり痛んだりする危険性があるため、避けた方が無難です。

また、お風呂場などでハンドソープやボディソープを使って洗うのもお勧めしません。

これらの洗剤には保湿成分などが含まれており、隙間に入り込むと、時間が経つにつれて濃度を増し、ガムやノリのようにネチョネチョに固着してしまいます。

修理でお預かりした時計を開けると、見えない隙間が石鹸カスで埋め尽くされている…というケースは意外と多いのです。

「中性洗剤」と「柔らかいブラシ」が正解

皮膚に優しいという説明

ご家庭で行うベストな洗浄方法は、薄めた中性洗剤と毛先の柔らかいブラシを使うことです。

中性洗剤は金属やパッキンへの攻撃性が低く、皮脂汚れを適度に落としてくれます。

私たちプロは、徹底的に汚れを落とすためにアルカリ性洗剤を使うこともありますが、これは肌荒れや金属への影響を判断できるプロだからこそ使えるものです。

皆さんが日常的に行う場合は、安全で確実な中性洗剤を選んでください。

工具では防げない見えない敵への対策

物理的な汚れだけでなく、環境によるダメージからも時計を守る必要があります。

磁気帯びを防ぐ

磁石の危険性について語っている

メンテナンスというより注意点になりますが、「磁石のそばに置かない」ことは非常に重要です。

スマホのスピーカー、バッグの留め具、モーターなどの近くに置くと、時計内部が磁気を帯びてしまい、時間が狂う原因になります。

磁気帯びは目に見えないため、私たちは修理の際、有無を言わさず最初に必ず「磁気抜き」を行います。

それくらい一般的なトラブルなので、保管場所には気をつけてください。

使わないで放置するのもNG

パッキンの劣化について

「大切だからしまっておく」というのも、実は時計にとっては良くありません。

長期間動かさないと、内部の油が固着したり、防水パッキンなどのゴム製品が劣化したりします。

機械にとって一番良いメンテナンスは適度に使ってあげることです。たまに動かすことで油を回し、調子を維持することができます。

間違った自己流メンテナンスで寿命を縮めないよう、ぜひ今日から実践してみてください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この記事はオンラインウォッチアカデミーの講師である藤本が監修しています。

藤本信和

一級時計修理技能士。1973年東京都生まれ。
大学にて家具デザインを専攻、卒業後ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチメーカーコースに通い、時計修理の世界へ。

時計店ではあらゆる修理・受付販売などに携わり、
その後東京のヒコ・みづのジュエリーカレッジにて講師として10年間で、
学生とキャリアスクールの社会人約600人に教える。

21年4月より東京都千代田区飯田橋に自身の工房、Foliot(https://foliot.co.jp/)を構える。
好きな時計はROLEX。趣味はカーレース(軽自動車の耐久レース)