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時計の専門学校で何を学べる?カリキュラム・学習時間・就職支援を解説!

ステップアップする様子

「時計の学校って具体的に何を学べるの?」
「学んだ先にどうなれるの?」


と思い、この記事を開いたあなた、こんにちは。
時計修理歴約30年、600人以上に技術を伝えてきた藤本です。

結論からお伝えすると、時計の学校は基本的に修理技術を学び、学ぶ場所や年齢にもよりますが時計修理技能士としてメーカーへの就職などが可能になります。

本記事では、時計修理技能士として現場経験のある立場から、

・時計修理を学ベる場所について

・具体的に学ぶ内容

・1年あたりの学習時間

・資格を取得することは可能なのか

・就職支援をしてくれるのか

を体系的に解説します。この記事を読めば、時計学校に対しての理解が深まり、先を見通しながら学習を進めることができます。

時計の専門学校は「時計修理を行う学校」のことを指す

時計修理をしている様子

現在、存在する時計の専門学校は「時計修理を学ぶ学校」のことを指します。

基本的に修理をメインに学びますが希望者は設計から始まり部品や時計製作を学ぶコースへ進むパターンもあります。

時計について学ぶことができる学校は3つ存在する

時計修理を学ぶことができる学校は主にこの3つです。

・ヒコ・みづのジュエリーカレッジ東京校

・ヒコ・みづのジュエリーカレッジ大阪校

・近江時計眼鏡宝飾専門学校(滋賀県)

東京、大阪、滋賀のみ、全日制で時計修理を学ぶことが可能です。

この3校の詳細は別のブログでも紹介しているため、こちらをご確認ください。

以前、10年間ヒコ・みづのジュエリーカレッジ東京校にて教員として時計修理を指導した経験を踏まえて皆さんに案内します。

オンラインでも時計修理を学ぶことができる

数年前までは時計修理を学ぼうと思っても東京、大阪、滋賀にある学校へ通うしか選択肢はなく、遠方にお住まいの方は時計修理を諦めるしかない環境でした。

そんな状況が長らく続いた中、ある時期を境に世界中でコロナが流行しました。世の中が少し落ち着いた頃、遠くない未来を想像してみました。

インターネットを通じて世界中と情報のやり取りをすることが一般的になり、以前はできなかった動画でのレッスンや膨大な情報の蓄積を目の当たりにするようになり「いつでも」「どこでも」学ぶ場の提供が最大の使命で、今しか立ち上げるタイミングはないと確信しました。それが私が2021年にOnlineWatchAcademyを立ち上げた理由になります。

現在5年目を迎え、開始以来フォローアップライブをはじめコンテンツが増え続けている仕組みは将来が楽しみですし、実際に会員さんが直した時計を見た際に始めて良かったと心から実感しました。

詳しくはこちら
https://online-watch-academy.com/ondemand_requirements/

時計の専門学校では何を学べる?カリキュラムを解説

カリキュラム

こちらでは時計学校の一般的な授業内容について述べてみます。

実技:分解掃除・注油・調整

いきなり実践的な時計を触るのは難易度が高いので、最初は優しい仕組みから始めます。例えば、置時計や懐中時計が該当します。

少し慣れたころに小さいサイズの手巻き時計や自動巻き時計、クォーツ時計に発展していきます。

また単に分解掃除をするのではなく不具合を想定して修正したり、測定、精度調整を繰り返し学ぶことで修理のスキルを身につけていきます。

理論:機械構造・材料学・工具知識

時計修理に必要な知識は多岐に渡ります。実際に時計を触るだけでなく、力の伝達や進み遅れを司る構造を学ぶことでスムーズな作業に役立てることも求められます。

また部品に欠かせない鉄の種類や特徴を覚えたうえで工具のお手入れを重ねることでより難しい作業に挑戦できるようになります。

どれくらいのレベルまで修理できるようになる?

学ぶ学校やコースによって左右されるので一概には言えないですが、難しいとされるクロノグラフやアンティーク時計の修復、部品製作を習得できる学生さんも一定数います。

ただ私の経験上学校での勉強はあくまでも教材時計が主体ですので実際のお客様の時計を直すスキルは就職後に少しづつ体得するのが一般的に思えます。

専門学校・夜間・オンラインの学習時間とは

勉強する様子

それぞれ学習環境も全く異なるため、今回は1年間で算出し、比較していきます。

専門学校の学習時間は900から1,000時間

週4~5日で朝から夕方まで約3~6時間の授業、単純計算だと1週間で24時間。1年は52週ですが実質40週程度と仮定すると約960時間勉強することになります。

全日制の場合は授業時間が確保できているので、1年でしっかりと基礎を学べる点が非常に魅力的です。

夜間学校では週に2回、1回あたり2時間学ぶことができる

夜間学校は現在、ヒコ・みづのジュエリーカレッジのキャリアスクールウォッチメーカーコースのみで行われています。

週2回、1回2時間の学習があり年間だと約144時間。主に社会人の方に向けたカリキュラムのため、学習時間が全日制に比べてだいぶ少ないですが、オーバーホールまでの基本的な内容を網羅した内容になっています。

「時計修理を趣味にしたい」であったり、「時計修理を副業にできないか」と思っている方には非常にオススメしたい内容となっています。

ただ、時間が19時からと仕事の関係、場所の関係により通うことが難しいケースがあるため、事前に検討する必要があります。

オンラインでは自身のペースで進めることができる

私が運営するオンラインウォッチアカデミー(https://online-watch-academy.com/)は実際に通って学習を行う形式ではありません。

ですので、動画の本数×動画1本あたりの平均時間で算出すると、82本の動画×約20分で27時間20分ほど

そして、これまでのライブのアーカイブ動画(約100時間以上)が蓄積されているので全てを見るとすると127時間20分ほどかかる計算です。

カリキュラムの時間を見て短いと思う方もいるかもしれませんが、作業を行いながらだど動画を停止、もしくは繰り返し視聴することになるため、1本の動画を見終わるのに1時間半ほどかかるようになっています。

繰り返しの視聴であったり、ライブですでに時計修理を学んでいる人が悩んでいるポイントを学習することで、より早くスキルの習得が期待できます。

時計の資格を取得することは可能

全日制、夜間、オンライン、どの方法で学習を進めたとしても少なくとも実務経験があれば時計の試験を受検することは可能です。

ただ、学習にかけた時間が非常に重要になってくるので、人によりますが取得までの時間に差が生じるかもしれません。

一番オススメ:学校に通う

工具を扱う際の力加減など、実際に体で覚える作業が存在します。そのため、学校に通い、講師にレクチャーしてもらうことが一番技術の習得が早いです。

間違いもすぐに気付き、修正することで作業の質がどんどん向上し、技術を習得することができます。

夜間は単純に時間的な問題が一番大きく、週2回の2時間だと学べる範囲も限定的

オンラインももちろん技術の習得をすることは可能ですが、先ほどお伝えしたように実際の作業のディテールが重要になってくるため、技術を最短で習得したい場合は学校に通うことをオススメします。

【注意】実務経験の有無は要チェック

「時計修理技能検定」の取得を目指すことになりますが、1級、2級、3級、それぞれに実務経験が必要になってきます。

1級:7年以上

2級:2年以上

3級:従来は6ヵ月以上でしたが平成25年4月から緩和され、6ヵ月に満たない場合も受検可能

3級は主に販売店向きの内容になっているため、2級から取得を目指す方もいらっしゃいます。ただ、年に1回しか受検することができないので、吟味して何級を受けるのか判断してくださいね。

最短で取得する人の目安期間

3級の場合、事前に2か月ぐらいは準備に充てる必要があります。

なぜなら反復練習が必要だからです。ですが、効率よく教わることが出来れば、練習期間を短縮して取得できる可能性もあります

環境にもよるので一概には言えませんが、オンラインウォッチアカデミーを例にするとレッスン動画やフォローアップライブで繰り返し学ぶことで充分なスキルを身につけて3級に合格したのち、翌年に2級の受検資格を得ることも可能です。

また、オンラインウォッチアカデミーで時計修理の学習することで資格を取得した方を以前YouTubeで紹介しました。

オンラインウォッチアカデミーでは毎年、資格取得に挑んでいる方のために、資格に特化した内容のレクチャー会を開いたり、イベントを行っています。

就職支援をしてくれるのは専門学校のみ

ヒコみづのジュエリーカレッジ、近江時計眼鏡宝飾専門学校の全日制に通う方のみ、就職支援を行っています。各校、就職率が非常に高く、有名なメーカーへの就職も毎年行われています。

また、夜間学校やオンラインウォッチアカデミーでは就職支援は行っていないため、もし、就職支援を希望している場合は全日制の専門学校に通う必要があります。

専門学校が提供する就職サポートの内容

専門学校というだけあって、時計学校での就職へのサポートは手厚いです。履歴書の添削から始まり、身だしなみや模擬面接の指導があることも。

企業とのパイプも密にあるので採用担当者が授業の様子を見学することも定期的に行われています。

また事前に企業が求める技術者の傾向を知ることで就職後にミスマッチが起こりにくいということも期待できます。

将来技術者として活躍する場を幅広く知ることができるのは専門学校の得意な分野なので、進学も大事な選択肢として検討してみてください。

各校の就職先紹介

ヒコ・みづのジュエリーカレッジ、近江時計眼鏡宝飾専門学校のHPに記載している就職先をご紹介します。どちらも非常に就職に強く、各HPには卒業生の声や内定者紹介も行われているのでぜひご確認ください。

・ヒコみづのジュエリーカレッジ
PP Japan株式会社(パテック フィリップ ジャパン)
リシュモン ジャパン株式会社
日本ロレックス株式会社
ワールド通商株式会社
株式会社日新時計ホールディングス
オーデマ ピゲ ジャパン株式会社
セイコータイムラボ株式会社
シチズンカスタマーサービス株式会社
共栄産業株式会社
株式会社ケアーズ

https://www.hikohiko.jp/graduation_employed

引用元:ヒコみづのジュエリーカレッジ就職実績

・近江時計眼鏡宝飾専門学校
盛岡セイコー工業(株)
セイコータイムクリエーション(株)
シチズン時計マニュアクチャリング(株)
セイコータイムラボ(株)
(有)スイス時計サービスセンター
(有)大阪中央時計修理センター
(株)ジュウール
(株)斎気
(株)エムヴイ
(株)三越名古屋
(株)エル・エンタープライズ
(株)ベクトル・ケイ
(株)ウエニ貿易サービスセンター
(株)CH Watch Service
(有)ウォッチリペアサービス
(株)スイートロード
(株)ケアーズ
(株)日新堂
(株)ナカザワ
(株)ミノル
(有)木村時計店
(有)川井時計店
藤原時計店
森時計店
(株)TASAKI
(株)大滝(宝飾)

http://www.tokei-co.org/page4

引用元:近江時計眼鏡宝飾専門学校就職実績

未経験からの就職率はどれくらい?

時計の学習

実際に学校に通い、支援を受けながら就職するのであればほぼ100%ですが、夜間学校やオンラインで学んだ経験のみとなると修理職への就職は難しいです。

年齢にもよりますが、技能検定の資格を持っていることで書類の通過がしやすいなどの影響はあるかもしれません。

ですが、時計店、時計修理店も修理歴の豊富な人を優先して採用しているため、実際に就職できた人の割合としては少ない印象があります。

ただし、この状況は「学び方次第」で変えることもできます。

オンラインウォッチアカデミーの受講生の中には、時計修理店でお手伝いをしながら経験を積み、実務力を高めている方もいます。

実際の時計に触れながら取り組む環境があると、就職の確率は大きく上がります。さらに、時計修理の技術は実は就職以外にも活かせます。

たとえば、

・自分で時計を修理し、販売して収益化する

・副業として小規模に受託修理を行う

・本業のスキルアップに活かす

・趣味として深く楽しむ

など、多様な活用方法が存在します。そのため、就職のしやすさだけで学び方を決めるのではなく、「自分が技術をどう活かしたいのか」という視点が非常に重要になります。

オンラインウォッチアカデミーでは、副業・本業・趣味のいずれにも対応できるカリキュラムを展開しており、会員限定コミュニティでは技術の相談はもちろん、珍しいムーブメントの情報の共有や人脈づくりが盛んに行われています。

こうした環境を活用することで、未経験からでもチャンスを広げていくことが可能です。ぜひご検討ください。

年間の募集要項はこちら
https://online-watch-academy.com/ondemand_requirements/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この記事はオンラインウォッチアカデミーの講師である藤本が監修しています。

藤本信和

一級時計修理技能士。1973年東京都生まれ。
大学にて家具デザインを専攻、卒業後ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチメーカーコースに通い、時計修理の世界へ。

時計店ではあらゆる修理・受付販売などに携わり、
その後東京のヒコ・みづのジュエリーカレッジにて講師として10年間で、
学生とキャリアスクールの社会人約600人に教える。

21年4月より東京都千代田区飯田橋に自身の工房、Foliot(https://foliot.co.jp/)を構える。
好きな時計はROLEX。趣味はカーレース(軽自動車の耐久レース)