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【600人以上に教えてきたプロが語る】時計修理技能士になる方法

時計修理の工具

「時計修理技能士ってどうやったらなれるの?」
「学校に通うべき? 独学でもなれるの?」


このような疑問をもち、この記事を開いたあなた、こんにちは。
時計修理歴約30年、600人以上に技術を伝えてきた藤本です。

結論からお伝えすると、3つのルートがあり、修理技能士になるには時計学校に通うのが一番の近道ですが、目的や状況によって選び方が変わってくると思います。

本記事では、時計修理技能士として現場経験のある立場から、

・資格は必要なのか

・どれくらいの期間で目指せるのか

・就職や副業として成り立つのか

を解説します。この記事を読めば、時計修理技能士になる方法を最短で知ることができます。

時計修理技能士になるには3つのルートがある

時計修理技能士とは、国家資格に合格した者を指しています。なので制度上、国家資格を取得することで時計修理技能士を名乗れることになります。

今回は国家資格を取得するための独学、学校、働きながらの3つのパターンをご紹介していきますね。

独学で時計修理技能士になる

独学の場合、本やSNSなどを駆使して資格を取得することになります。

例年、3級は比較的合格率が高く、事前に必要な対策はまだハードルが低いですが、1級と2級はより専門性が増し、難易度も高くなっています。

こちらの記事でより詳しく紹介しているのでご確認くださいね。

学校に通って時計修理技能士になる

時計修理をしている様子

冒頭でお伝えした通り、実際に授業を受けて技術を高めるのが一番の合格の近道

なぜなら、細かい力の入れ方や道具の扱い方、目の前の先生にすぐに質問することができるという利点があるからです。そのため、もし、あなたが学校に通うことができる状態であるなら、実際に通うことをオススメします。

・ヒコ・みづのジュエリーカレッジ(東京校/大阪校)
東京:https://www.hikohiko.jp/watch/
大阪:https://hiko-osaka.jp/

・近江時計眼鏡宝飾専門学校(滋賀県)
http://www.tokei-co.org/

オープンキャンパスも開催しているのでぜひ機会があったら参加してみてください。時計修理とは、と知れたり時計を更に好きになるいい機会になります。

働きながら時計修理技能士になる

働きながら資格を取得するにはスキマ時間や夜に時計修理の練習を行う必要があります。

その場合は、私どものようなオンラインウォッチアカデミーか、夜間も行っているヒコ・みづのジュエリーカレッジで時計修理を学ぶことをオススメします。

オンラインウォッチアカデミーはいつでもどこでも時計修理を学ぶことができる特徴があり、試験対策や独自コミュニティでの相談、毎月のライブなど充実した内容となっています。

また、ヒコ・みづの東京校のキャリアスクールウォッチメーカーコースでは週に2回通い、1年間で時計修理の基礎を学ぶという内容。「趣味で学ぶ」をテーマにしています。

基礎の内容としては、機械式時計の分解・組立・注油・精度調整や、クォーツ時計のオーバーホール・電池交換等を実施しています。

授業は19時開始のため、仕事終わりに参加できる方はぜひお考えくださいね。
ただし、技能検定の受検には実務経験が必要ということもあるので覚えておいてください。

オンラインウォッチアカデミー
https://online-watch-academy.com/

ヒコ・みづの東京校キャリアスクールウォッチメーカーコース
https://www.watch-hiko.jp/career_college/

そもそも時計修理技能士とは?

藤本講師が作業している様子

Wikipediaによると、

時計修理技能士(とけいしゅうりぎのうし)は、国家資格である技能検定制度の一種で、中央職業能力開発協会が問題作成して都道府県職業能力開発協会が実施する、時計修理に関する学科及び実技試験に合格した者をいう。

という記載があります。

この資格は3級から1級まで存在し、それぞれ受検資格があるので「自分はどの級を受けれるのかな…」という方に向けてもこれからご紹介しますね。

国家資格「時計修理技能検定」とは

この国家資格は中央職業能力開発協会が問題を作成し、都道府県職業能力開発協会が実施しています。

なので、原則全国どこで受検しても試験内容・難易度は共通で、評価基準も統一されています。
受検地によって有利・不利が生まれることはなく、純粋に技術力と知識が問われる仕組みになっています。

「技能検定」についての説明はこちらのページからご覧ください。

技能検定のご案内
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html#Anchor1

3級、2級、1級の違い

時計修理工具

受検資格、試験内容がガラッと変わります。まずは受検資格からご紹介します。

1級7年以上
2級2年以上
3級

そして、試験内容ですが、無断転載が禁止されており、内容も都度変更されてしまうため、一概にはお伝えすることができません。

ですが、3級であれば測定や梱包ですが1級になると機械式時計の分解掃除の作業など…行う作業の難易度が跳ね上がるため、ご注意ください。

「今年の試験問題が欲しい」という方もいらっしゃると思いますが、試験内容は受検を申し込んだ方に対して毎年12月上旬に郵送で送付されます。

基本は受検の申込をした方のみが内容を知ることができる仕組みになっていますが、検定後しばらく経過した後に過去の実技問題が掲載されているのでこまめにチェックしてみてください。

資格を持たないとできないことはありません

実際に私の周りにも資格を取得していないけれど技術力の高い技術者もいて、修理を請け負っています。

ただ、これから副業として活動したい、人の時計を直したい、という方は資格を取得することで、最初の信頼を獲得しやすくなるため、ぜひ資格は取得していただけたらと思っています。

また、どこかに弟子入りをするなどで無い限り、基本的な流れを正確に行うことは極めて重要なため、オンラインウォッチアカデミー会員の方には受検を提案しています。

資格は必須?学校に通わなくてもいい?

選択肢

技術を身につけるだけであれば資格は必須ではありませんが、「時計修理技能士」という国が定める職人として認められたいのであれば、資格の取得は欠かせません。

また、学校に通わなくとも資格取得は可能です。

ただ、実務経験が受検資格として必要なのでご確認の上、お申し込みください。(1級7年以上、2級2年以上)実務経験の事例はこちらをご覧ください。

・中古時計店での点検作業

・時計の分解、洗浄、組立作業をしていた

・時計・ジュエリー・メガネ店で時計メンテナンスを担当していた

・時計修理会社で研修生・見習いとして作業補助を行っていた

・時計の物販をしながら、電池交換やベルト調整など軽作業をしていた

・会社や店舗で時計修理の受付業務をしつつ、簡易的な電池交換やバンド調整をしていた

資格がない場合の就職ハードルは高い

資格、実務経験がないが、時計修理職に就きたい場合は会社の方針にもよりますがハードルは高くなります。

基本的に受付などからスタートし、徐々に修理を教えてもらうような流れになります。また、年齢も非常に重要な要素のため、動き出すのが早ければ早いほど採用ハードルは低くなります。

学校に行くかどうかの判断基準は目標による

どこを目標に設定するかで、選ぶべき道は変わってきます。

もしあなたがメーカーへの就職を目指している場合は、時計学校に通うことが最短ルートです。基礎から体系的に学べるだけでなく、就職支援や企業とのつながりがあるため、未経験からでも入りやすくなります。

一方で、趣味や副業として時計修理を学びたい場合は、必ずしも学校に通う必要はありません。オンラインで長期的に学べる講座や教材を活用すれば、自分のペースでスキルを身につけることができます。そのため学校は選択肢の1つであり、必須ではありません

資格取得後のキャリア

キャリアアップの画像

資格を取得して、さらに時計修理のキャリアを歩みたい場合は、以下のような働き方が存在します。

・中古時計店での点検作業

・メーカー勤務(修理見積・アフターサービス・修理部門など)

・時計修理店勤務(街の工房や専門店での実務)

・時計販売店勤務(販売と簡易メンテナンスを兼任するケースもあり)

・中古時計販売店勤務(分解掃除、外装仕上げ、真贋判定など)etc…

このように、資格を活かせるフィールドは幅広く、あなたの目指す働き方に応じてキャリアの選択肢が広がります。

就職先の種類

資格取得後に目指せる主な就職先は、今回、4つに絞りました。それぞれで求められる技術や働き方が異なるため、あなたの将来像に合わせて選ぶことが大切です。

・メーカー勤務
高度な技術が学べる環境で、研修体制も整備されているためスキルアップがしやすいのが特徴です。安定志向や超高級ムーブメントを触りたい方に向いています。

・時計修理店勤務
幅広いブランド・年代の時計を扱うため、実務経験を最も多く積むことができます。スピード感や応用力が鍛えられます。

・時計販売店勤務
接客スキルを磨きながら、電池交換やバンド調整など基本作業に触れられます。修理と販売の両方を経験したい方に最適です。

・中古時計販売店勤務
技術と同時に「市場価値」「真贋判定」の知識が身につくため、将来的に独立や物販ビジネスを視野に入れている方にも相性が良い分野です。

年収の目安

それぞれの年収の目安はこのとおりです。

就職先参考年収
メーカー勤務400万〜500万円
時計修理店勤務360万〜450万円
時計販売店勤務350万〜480万円
(売上成績で変動)
中古時計販売店勤務350万〜500万円
※経験5年目の年収イメージを業界の実勢値から算出(あくまでも予想数値です)

私が当時の年収をお話している動画がYouTubeに挙がっているのでぜひこちらもご覧ください。

副業として稼ぐことはできる?

結論からお伝えすると資格取得後、時計修理で稼ぐことは可能です。

オンラインウォッチアカデミーでお伝えしていることとしては、時計修理をお客様から請け負うことは技術的にも最初はハードルが高いです。

なのでまずは、簡単な故障を直してから時計を販売することをオススメしています。

そして様々な種類の時計を修理するのではなく、1つのブランド、そしてできれば1つの機種に絞って修理を行い、販売することで「〇〇」をよく売っているオンラインショップ、などの認知が広がり、利益を拡大することができます。

そのためにも古物商の取得は必須となってくるので合わせてお読みください。

収益化の難易度

物販の場合、時計の需要にもよりますが収益化は可能性のある業種です。

修理でお金をいただくのとは異なり、時計そのものに価値があるため、ヤフオクや売買サイトに掲載して実際に購入されるか試してみてくださいね。

もし、販売しても1ヶ月、2ヶ月と購入者が現れない場合は、

・他の出品者がより安く掲載している
・値段の割にボロボロ
・そもそも需要がないetc..


などの課題が挙げられるため、検証しながら販売してみましょう。

月どれくらい稼げるのか

物販のレベルによるため一概には言えません。

ですが、最終的には自分の得意な機種を格安で仕入れてより高く販売すれば、1本で2~5万円を超える利益を獲得することもできます。

また、少し汚くなっている時計を綺麗にして電池交換、その後、販売するだけで利益を得ている方もいらっしゃいます。

なので、市場のリサーチなどを徹底することで少なくとも毎月5万円以上は獲得できるのではないかと見込んでいます。

自分のペースで時計修理を学びたい人はこちらから

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この記事はオンラインウォッチアカデミーの講師である藤本が監修しています。

藤本信和

一級時計修理技能士。1973年東京都生まれ。
大学にて家具デザインを専攻、卒業後ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチメーカーコースに通い、時計修理の世界へ。

時計店ではあらゆる修理・受付販売などに携わり、
その後東京のヒコ・みづのジュエリーカレッジにて講師として10年間で、
学生とキャリアスクールの社会人約600人に教える。

21年4月より東京都千代田区飯田橋に自身の工房、Foliot(https://foliot.co.jp/)を構える。
好きな時計はROLEX。趣味はカーレース(軽自動車の耐久レース)